今月のアーティストコラム

推薦作品とそれにまつわるコラムを紹介するコーナーです。 ホームへ
 

好宮佐知子/2012-7

 4月の終わりに京都へ行きました。関東では桜も終わり、新緑が眩しくなり始めた季節です。京都の山の方では、薄緑色の山の合間に、ぽぅっぽぅっと霞がかったような淡いピンクの桜の樹が見え、とても印象的でした。薄緑の中に水彩画の滲みを利用したように現れる満開の桜の樹、という山の姿は、いわゆる日本古来の春の景色で、それが本当に美しく感動しました。
 そんな印象深い地を旅した時に目にした一場面です。美しい山の裾野の、民家が連なる何の変哲も無い道端で、西日になり始めた光が輝いていました。小山のように連なる光の形と、今まで見ていたなだらかで美しい春の山が重なり、不思議な思い出となりました。
「西方の裾野-2(4月)」2012年」
鉛筆、ガッシュ、白亜地、寒冷紗、パネル
24.2×33.3cm

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好宮佐知子/2012-5

 この冬はとても寒い冬でした。夏のじりじりとした暑さよりも、ぴーんとした冬の寒さが得意な私としては、久しぶりに冬らしい寒さを実感しました。しかし、この頃の気候のおかしさを考えると、本来の四季折々の大気が訪れるのを願うばかりです。
 今回の作品は、正に一年で最も寒い2月の一場面です。寒い外から暖かい店内に入り、ほっと一息ついた時目にした光景です。張りつめた外の寒さとは対照的に、室内に入る光は柔らかく、暖かみがありました。真っ白い壁にアーチ形の窓から光が射し込み、何かによってできた影はそのアーチの中でサラサラと揺れていました。
 このアーチ形が日に日にくっきりしていくと、外気も暖かくなり、春が訪れ、夏が来て、季節が移り変わったいくのだとぼんやりと考えたひと時でした。
「季節のアーチ(2月)2012年」
鉛筆、ガッシュ、白亜地、寒冷紗、パネル
45.5×38.0cm

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好宮佐知子/2012-3

 12月、庭の一部は真っ赤に染まります。左右から張り出し空を覆う枝には、紅葉した葉がちりばめられ、空も地面も一面深紅の世界です。空から降り注ぐ太陽の光は、枝葉の隙間を抜け、地面に到達しますが、その光は再び赤い反射光となって空へ跳ね返ります。乱反射を繰り返し、そこに漂う大気全てが、丸く柔らかな赤い光に変わり、明るい世界ができあがっていました。この明るく幻想的な世界を前に、自然と人との関係に思いを巡らせました。
「紅いルーフ(12月)2011年」

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好宮佐知子/2012-1

 扉を開け、外に一歩出た時、思わぬところが不思議な模様で煌めいている場面に出くわすことがあります。
 光はいつも頭上から降り注ぎ、様々に反射して様々な場所を照らします。太陽の角度によって、その時期にしか現れない反射があり、ある時から現れ、そして気がついたらもう見られなくなる現象です。そして、また次の年、同じ時期に再び出現します。
 秋の朝、まだ低い位置にある太陽が照らし出した光を描きました。
「朝(11月)2011年」
鉛筆、ガッシュ、白亜地、寒冷紗、パネル
45.5×53cm

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好宮佐知子/2011-11

 今年、日本は大変な一年となりました。 自分に何ができるのか模索して行く中で日々は過ぎていき、計画していたことを実行する日々でした。その中に、海外へ行き、外から日本をみる時間がありました。そして、日本、日本人について多くの時間を費やし、考えました。それと同時に、自分、自分の生み出すものについても考えました。
 様々な地へ行き、様々なものを見て感じていきますが、自分の家に戻り、ふと目を向けると、何の変化も無く、いつも通り存在する光景に気がつきます。
 遠くばかりを見通したい、と過ごしていた時間が過ぎ、すぐ傍にある世界を改めて実感したいと思うようになりました。
「午後(9月)」
鉛筆、ガッシュ、紙
11.0×7.3cm 2011年

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『手短なプロフィールとして』 森川 護/2009-6

 1969年巻町(現 新潟市西蒲区)に生まれ、何枚絵を描いただろう。思えば2〜3歳位から絵を描くのが大好きで、本をみながらリアルなイラストを描いていた。
 絵の勉強がしたくて長沢 節主宰セツモードセミナーに入学し、21歳で個展、そこのオーナーに誘われてグラフィックデザイナーになった。しかし、仕事に追われ大きい絵が描けず、東京から巻町へ帰ってきた。ようやく2mの絵が描ける環境が出き、自分としてはうれしいが生活は大変だ。個展をしたり企画展に参加したりしたが、なかなかお金には縁がない。
 10代で観た大竹伸郎氏とD.ホックニーの作品は電気的ショックを受け、いまだに忘れられない。

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『佐渡、そしてフレスコ画』 水津 燧/2009-5

 故郷佐渡にアトリエを移して七年目になった。自然を題材にして描いて来て、この地を漠然と、感じ求めていたことがやっと見えてきたように思う。例えば森という自然を外観から認識していた状態から、奥へ向かう扉が徐々に開くように、模索する長い時間、佐渡の自然は何度も変わらない季節の美しさを見せてくれた。親しみの気持ちが満たされて見えて無かったものに出会うことが出来た。多種多様な動植物に魅せられ、種々の形態を観ていくとその完成された構造の美しさが種を維持する必然の機能美であることが解る。これは美術として表すに止まらず、展開によっては目新しいプロダクトとして生活に還元できる可能性が期待できる。実際近年バイオミミクリーの提唱により多方面の産業で成果を上げている。
有機的形態が好まれる否かはエコロジーの時代の美術家の貢献も必要だろう。私が最近始めたフレスコ画に使う漆喰が、固化の長い間炭酸ガスを吸収し微力ながらカーボンオフセットに関わることもあり制作し続けたいし魅力ある技法なので拡がることを望んでいる。

水津 燧Artist Profile
1952年 新潟県佐渡市生まれ 東京造形大学で絵画を学ぶ / '81〜'84 英国ロンドンを中心に個展活動をする。国立美術館で模写を続ける。/ '84 個展(新宿紀伊国屋画廊・故 坂崎乙郎氏による企画展)/ '04 個展(楓画廊)以後 '05 / '05 個展(新宿紀伊国屋画廊)以後 毎年 / 現在 無所属


サンクチュアリ 秋祭りに向かう稚児 森の扉 The Species #5
「サンクチュアリ」
フレスコ 30.5×21.0cm
\80,000(税込)
「秋祭りに向かう稚児たち」
フレスコ25.5×29.0cm
\80,000(税込)
「森の扉」
フレスコ25.0×25.0cm
\80,000(税込)
「The Species #5」
フレスコ25.0×25.0cm
\80,000(税込)


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『佐渡、そしてフレスコ画』 水津 燧/2009-5

 故郷佐渡にアトリエを移して七年目になった。自然を題材にして描いて来て、この地を漠然と、感じ求めていたことがやっと見えてきたように思う。例えば森という自然を外観から認識していた状態から、奥へ向かう扉が徐々に開くように、模索する長い時間、佐渡の自然は何度も変わらない季節の美しさを見せてくれた。親しみの気持ちが満たされて見えて無かったものに出会うことが出来た。多種多様な動植物に魅せられ、種々の形態を観ていくとその完成された構造の美しさが種を維持する必然の機能美であることが解る。これは美術として表すに止まらず、展開によっては目新しいプロダクトとして生活に還元できる可能性が期待できる。実際近年バイオミミクリーの提唱により多方面の産業で成果を上げている。
有機的形態が好まれる否かはエコロジーの時代の美術家の貢献も必要だろう。私が最近始めたフレスコ画に使う漆喰が、固化の長い間炭酸ガスを吸収し微力ながらカーボンオフセットに関わることもあり制作し続けたいし魅力ある技法なので拡がることを望んでいる。

水津 燧Artist Profile
1952年 新潟県佐渡市生まれ 東京造形大学で絵画を学ぶ / '81〜'84 英国ロンドンを中心に個展活動をする。国立美術館で模写を続ける。/ '84 個展(新宿紀伊国屋画廊・故 坂崎乙郎氏による企画展)/ '04 個展(楓画廊)以後 '05 / '05 個展(新宿紀伊国屋画廊)以後 毎年 / 現在 無所属


サンクチュアリ 秋祭りに向かう稚児 森の扉 The Species #5
「サンクチュアリ」
フレスコ 30.5×21.0cm
\80,000(税込)
「秋祭りに向かう稚児たち」
フレスコ25.5×29.0cm
\80,000(税込)
「森の扉」
フレスコ25.0×25.0cm
\80,000(税込)
「The Species #5」
フレスコ25.0×25.0cm
\80,000(税込)


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『花の3人展に寄せて』 小山まさえ×瀧谷美香×中村一征/2009-3

小山まさえ「蓮」
オイルパステル、コラージュ
ボード SM 額装 \21,000(税込)
瀧谷美香「あざみ」
油彩、キャンバス
F6 額装 \84,000(税込
中村一征「はな '09 G-W」
膠彩、箔、和紙(ボード)
28.0×23.0cm
額装なし \ 42,000(税込)
 野の花が好きです。  小さくてどこにあるのか探しにくかったり 遥か上の方にポツンと咲いていたりするところや  群になってガヤガラ騒いでいるようなところや・・・ 花はモデルが完成され過ぎていて難しく あまり描かなかったのですが 今回やってみて「花」も 個性を生かせば楽しんで描けることを知りました。 でも 「バラ」は やはり私にとって課題です。(小山まさえ・記)


 実家暮らしの頃、家の中には至る所に生花が生けられていた。母が花を習っていて、教室から帰ってきてもう一度生けていた のである。学生だった私は一定のサイクルで替えられる立体の展示物を密かに楽しみにする様になり、母と別々に暮らす今では、 その日々がとても贅沢な時間だったと思う。  
 自然あふれる実家では、花は手に入れやすい身近な美しい有機物であり、その印象の残像はあくまで柔らかく、凛としている。 生活に寄り添う色と線、水分を保有し生命を伴うその佇まいは周りの空気と共に過ぎ行き、そして息づいたまま私の中に残っている。  一定の時間しか鮮やかな色を誇ることの出来ない花の、その香る時間や空間自体が一つの存在となって画面に留まるようにと想う。 (瀧谷美香・記)  


 今回のはなは金属箔を使っています。箔を使ったはなの絵というと、尾形光琳の紅白梅図屏風(正確には近年の調査により箔ではなく 金泥を使って箔に似せて描かれた!?)と燕子花図屏風が思い起こされます。金箔地を背景に平面的に図案化された梅であり、燕子花 なのですが、工芸的になりすぎず、光琳のもつ確かな個性と現代に通じ得る絵画性を感じさせるものになっています。(実物を観た のは20年も前のことですが・・・)  
 偉大な先人のはなを意識して描いた訳ではありませんが、今回の展示の寄せて思いついたことを書いてみました。(中村一征・記)


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信田俊郎『パステル』/2009-2

 昨年から、パステルを大量に使って制作している。
 もともと好きな画材なのだが、媒剤のない色の粉の固まりは、ながめているときの美しさとはうらはらに、使ったときの、特に明度の高い色の粉っぽさが、色のあざやかさの妨げになって難しい。パステルの難しさがようやくわかってきた。
 とはいえ、指でこすりつけながら描くときの、「触っている」感覚は、描くことの原初的な欲求を呼び覚ましてくれているように思う。それは、今、絵画の制作にとっての大きな力となるだろう。

Artist Profile 1953年 新潟県佐渡市生まれ / '78 新潟大学教育学部美術科卒業 / '80 初個展(羊画廊・新潟)以降個展を中心に活動 / '04 「新潟の美術2004」(新潟県立万代島美術館)以後 '06 / 現在 無所属 新潟市在住

「光の場所」パステル、紙
25.0×32.5cm
額装 \37,800(税込)
「光の場所」パステル、紙
20.0×31.5cm
sold out
「光の場所」パステル、紙
23.5×32.5cm
sold out
「光の場所」パステル、紙
20.5×31.0cm
sold out

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涌田利之『自分のこころのままに』/2009-1

 スケッチをするのが好きである。
 学生の頃は、死んだカエルの屍骸を拾ってきてよくスケッチしていた。当時住んでいた小金井近辺は、道路の横はすぐ畑で、雨の日には車に轢かれたトノサマガエルやヒキガエルに、歩いているだけで2匹や3匹すぐに出会えた。そのびっくりした表情のままの体は、とても魅力的だった。それをデッサンし、ビュランで彫っていた。友人にはなぜそんなものを作るのかと非難するものもいた。あるとき、知り合いの個展に来られていた抽象画の大家に、たまたま持っていた作品をみていただいた。
 その方は、ただじっと見ていたかと思うと「人はいろいろ言うかもしれないが、それは聞かなくてもよい。ただ自分のしたいことだけをしなさい。もし、間違った方向に行っても、必ず正しい道に戻ってくるから…」私の作品には一切批判を加えず、このようなことだけ言われた。あれから30年、折りあるごとにいろんなことで迷ったり、悩んだりをくり返している。
 2,3年前、貰ってきたサボテンを、植え替えしたら半年後に直径12cmもある花が咲いた。夜10時に花が咲き翌日の午後2時頃萎んでいた。しばらくして、このサボテンからまた花が咲いたので、早起きして絵を描いた。とても穏やかな気持ちになった。
 このごろは自分の心のままに生きたいと願っている。

Artist Profile 1955年 北海道札幌市生まれ / '79 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業 / '84 初個展 /以後 個展、グループ展を中心に活動 / '01 個展(楓画廊)以後 '04 / '03 蔵書票への誘い展(楓画廊)/ '04 木口木版画の小宇宙展(楓画廊)/ '06 線と刻展(楓画廊)/現在 無所属 東京都在住
「サボテンT」
木口木版(雁皮刷り)
17.0×14.0cm
シート\ 23,100(税込)
「サボテンU」
木口木版(雁皮刷り)
13.0×14.0cm
シート\ 23,100(税込)
「アロエとポコ」
木口木版(雁皮刷り)
12.0×8.0cm
シート\ 12,600(税込)
「チビタマの憂鬱」
木口木版(雁皮刷り)
5.0×8.0cm
シート\ 8,400(税込)

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